2016.01.31 整合性の罠
おはようございます。
 静止している物体は静止し続け、運動している物体はそのまま等速度運動を続ける慣性の法則が物理学にはありますが、それを利用したとも思える20%の法則と言うのが相場観にあります。方向を変えて20%動いたら、もうその動きは止められないと言うものです。上昇を続けていた相場が、高値から20%以上下がると下落が続くと言われて、調整局面または弱気相場に入ったと判定されます。日経平均が、昨年来高値(20946円から)から20%ラインぎりぎりまで下がった昨年9月の安値を下回った年初からの波乱で、弱気相場に入ったと言われる所以(ゆえん)です。
 この20%の法則は上げ方向にも適用できます。イランの輸出再開を織り込んで26ドル台まで売られたWTI原油先物は、34ドル台をつけた後、33ドル台後半で強含んでいますが、安値より20%以上の上昇となって、法則を適用すると底を打ったことになります。サウジやロシアの減産情報もあって、需要が一瞬で消えたリーマンショック時でも30ドルを切らなかった事も考えると、26ドル台で底を打ったと見る事にさほどの無理は生じない感じます。
 さて、この20%動くとその方向で等速度運動が続くと言う「相場慣性の法則」は、ウォール街の統計的研究から生まれました。過去の投資で有効だったからです。この法則から言うと弱気相場に入った日本と、底を打った原油価格、どちらが勝つかとなりますが、まさに矛盾ですね。
 それは別にして、過去の習性を参考にして相場観を立てるのは重要な事で、今は我々の持っているパソコンのレベルでも、過去の分析は短時間に出来ます。従って最適な法則はすぐに見つけだすことは出来ます。しかしそれは過去の事であって、未来の事ではありません。過去の必勝法を未来に適用して大きな失敗をすることを「整合性の罠」と言います。
 ビッグデータ解析で無限の未来があるように言われていますが、しょせんは過去の統計力が高まるだけです。原因と結果がはっきりしている事象は高度な未来予測が出来るかも知れませんが、相場は簡単ではありません。最近人工知能関連銘柄(エイジアはすごい動き)が注目されるのは相場自身がそれを分かっているからではないでしょうか。高度なビッグデータ解析が行きつく先は人工知能なのでしょうか。
 少なくとも今は、人工知能より人間知能が上です。「もうはまだなり、まだはもうなり」と言われますが、人間知能が考えた「もう」感は大きな価値があります。結果的にまだであっても、あなたが考えた「もう」は、大きな間違いはないと思います。
スポンサーサイト